X(エックス)の衝撃と出会い
中学2年生になったばかりの頃、自分と同じく音楽好きな同級生とよく情報交換をしていた。
THE WILLARDだったり、DEAD ENDを教えてくれたのも彼。
彼には少し上のお兄さんだかお姉さんがいるって事もあり、同級生があまり聴いていない様なバンドのことも結構知っていた。
その彼が言うには、[エックス]というバンドの[くれない]という曲が凄く良いという。
まだCDでは出ていないけれど、友達の兄貴がレコードを持っていて、頼んで録音してもらったら凄く気にいったとの事。
「そんなにイイなら貸してよ!」
そのカセットテープを借りて、ダビングしながら聴いてみた。
ピアノで曲が始まり、多分、英語であろう歌詞のバラードをヴォ-カリストが歌いだす。
これってロックなの・・・? 外国のバンド?
そうこうしていると曲がアップテンポに!しかも聴いたことがない位に速い!
ドラムがとにかく速い!それに併せているベースもギターもとにかく速い!
そして、ヴォーカルの声がハスキーでとんでもなく高い!
時々出てくる日本語で日本のバンドと分かったけれど、ヴォーカルが男なのか女なのか、聴けば聴くほど分からない。(当時の自分にはSHOW-YAの寺田恵子さんをもっと荒くした様な声に聴こえていました。)
間奏は長い・・・けれど歌えるくらいにメロディアス!途中にドラムソロがあるし、曲は10分近い長さだし・・・
とにかく自分がこれまで聴いてきたものとは色々と別次元で衝撃でした!
言葉に出来ない衝撃だった!(ブログは言葉にしないと伝わりませんが・・・汗)
それが X (エックス)の『紅』だった
後に判明するのだけれど、僕がダビングさせてもらった音源は、音楽雑誌『ロッキンf』に付録だったソノシートを録音したものだった。
とはいえ、ただの曲名だけが書かれていたカセットテープだった為、その時はXの姿をまだ知らず・・・。
「紅の染まったこの俺を慰める奴(等)はもういない」
この歌詞とメロディが聴いてからずっと頭から離れなくなり、たった一曲しか知らないのにXというバンドが好きになりました。
僕の従兄弟が当時、ANTHEMやLOUDNESS、EARTHSHAKERなどの所謂ジャパメタにハマっていた。
彼はギターをやっていたこともあり、部屋にバンドスコアや音楽雑誌が転がっていた。
その中にあった前述の『ロッキンf』を発見。
そこで遂に、すっかり自分のお気に入りになっていたバンドXの写真を見ることになるのです。
「ええっ~~~!! ヘビメタ!」「Xってヘビメタなの!」
「元気が出るテレビに出てそう!」(←間違いでは無かった/笑)
曲だけのイメージ、男闘呼組やSHOW-YAような硬派なハードロッカー的ルックスを勝手に想像していたので、とにかく衝撃でした!
ヘビメタといえば聖飢魔Ⅱという認識だったので、他にもこういうバンドが日本にいるという事も驚きでした。
ちなみに、ほとんどのアーティスト写真ではセンターにいたYOSHIKIさんがヴォーカリストだと思っていました。
男性か女性か判らない妖艶なルックスと、同じく男性か女性か判らない程にキーが高いTOSHIさんの声が自分の中でクロスしていました。
そこから、数ヶ月後、Xのメジャーデビューアルバム『BLUE BLOOD』が発売。
これを購入して聴いて自分の全ての価値観が変わり、人生がこれまでと変わった方に向かっていくことに・・・それは又に機会に。
ジュンスカとユニコーン
僕が中学生の頃、1989年は空前のバンドブーム真っ只中だった。
「バンドやろうぜ」「GIGS」等の音楽雑誌も沢山登場したのもこの頃。
学校の僕より少し上のお兄さんお姉さん達は、
その少し前に既に解散していたBOØWYをはじめ、
「リンダ リンダ」「TRAIN-TRAIN」のTHE BLUE HEARTS、
「DEAR FRIENDS」のPERSONZ、「GLORIA」のZIGGYを聴いている人が多かった。
そして、
僕らの学年で絶大な人気だったのが
「歩いていこう」を知らない人なんていないんじゃないかって位の人気曲で、
学祭ではジュンスカのコピバンだらけなんて時期もありました。
レスポールカスタムをかき鳴らすギタリストの森純太に憧れてギターを始めた人も沢山いました!
そのジュンスカと1.2を争うほどに人気があったのは、
初のシングル曲「大迷惑」で大ブレイク!
この頃の奥田民生は美少年ボーカルと言われていました。
同じく容姿端麗なベーシストのEBIさんもいた為か女性人気が凄かった。
当時の中高生の人気を2分するといっても過言ではなかったジュンスカとユニコーンですが、お互いの交流もあったらしく、NHKで放送されたクリスマスの音楽特番では何とジョイント!
僕も当時の10代の例に漏れず両バンドが大好きな時期がありました。
ジュンスカは【青春パンク】と称されていたように、その真っすぐな歌詞と音楽は10代の少年の心の友でした。
ユニコーンはジュンスカより屈折しているというか(笑)、【大人の世界ってこんなのもあるぜ】というのをセンスとユーモアを織り交ぜながら魅せてくれるバンドで、憧れをもって聴いていましたね。。
ロックへの目覚め
中学生になり、新入生歓迎会で先輩達がバンド演奏を披露してくれた。
バンドの生演奏を聴いたのは初めての体験だった。聴いた事もない曲のオンパレード。
初めて聴くはずなのに、お世話にも上手とは言えない演奏と思った事を今でも鮮明に覚えている。それでも何故か、いつくかのメロディーが頭から離れなくなる様な不思議な感覚が自分の中に残った。
同じクラスの少しませた男の子が、その曲はボウイの曲たちだと教えてくれた。
「ボーイ?」
「ちがうよボウイだよ。」
聞いた事もない単語に迷いつつも、誰の歌なのかが判明。
「テレビに出てる?」
「もう出ないよ。解散してるからさ。」
後日、CDを貸してくれた。
BOØWY「LAST GIGS」
初めて聴くというのに解散コンサートのものというのには若干の抵抗があったけれど、あの先輩達が演奏した曲も入っていた。
ずっと頭の中にあったメロディーは布袋さんが弾く「MARIONETTE」のあのギターリフと、「NO. NEW YORK」のサビのSHE'S BEAUTY FACE WO WOHという部分だと判明。
アニメやテレビドラマの主題歌やアイドルの歌しか聴いた事のなかった自分には知らない曲ばっかりだったけれど、言葉にならないような衝撃を受けた事は今でも良く覚えている。
と同時に、なんだか少しだけ自分が大人になった様な気にもなったなぁ。
歌詞カードの写真も、なんともいえないセクシーな感じで13歳の少年には刺激とインパクトが凄かった!
その後、BOOWYにはセカンドインパクトを受ける事になるのだけれど、それはまた別の機会に。
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